「連鶴」は、一枚の紙に切込を入れて数羽の鶴が繋がったものを言いますが、連鶴が初めて紹介されたのが、寛政9年(1797)に刊行された『秘伝千羽鶴折形』です。この本の中に「勢陽九花魯縞庵の主が長い歳月をかけて考案し、その中から選んだ。多くあるので後編を出す」と書かれています。「勢陽九花」は伊勢国桑名(現在の三重県桑名市)、「魯縞庵(ろこうあん)」は号で長圓寺住職義道(1762~1837)の事です。義道は18年かけて100種類を考案し、その中から49種類が『秘伝千羽鶴折形』に掲載されています。残念ながら後編は刊行されていません。その後の研究で『秘伝千羽鶴折形』が刊行された後も義道は連鶴を考案し、最終的には158種類が残されている事が分かりました。
連鶴は、楮・三叉などを原料とした「和紙」で折りますが、近年手漉きの和紙が少なくなってきているのは、連鶴の制作は元より、日本の伝統文化にとっても残念な事です。「紙を折る」という行為を通して、和紙の制作が600年代からすでに行われていた事や平安時代には「重ね継ぎ」という華やかで高度な和紙が生み出された事などを学びました。遊びと儀礼を含めた「折紙」は、和紙を使用する世界のほんの一部に過ぎませんが、折紙と言えば鶴が連想されるほど、和紙の発展と共に庶民の間でも親しまれてきました。鶴を折る事で和紙にも思いを馳せていただきたいと思います。
桑名市は、昭和51年(1976)に『秘伝千羽鶴折形』に掲載された49種類の折形を「桑名の千羽鶴」の名称で文化財に指定しました。そして、桑名発祥の連鶴を次世代に継承していく技術を伝承するため、平成26年(2014)桑名の千羽鶴技術保持者を認定しました。
義道は鶴を長寿の象徴と捉えて連鶴を作成していますので、この思いと共に連鶴を作って下さい。しかし、姿が美しくなくてはなりません。綺麗な連鶴を折るコツは、
①一羽毎完全な鶴を折る事
②繋ぐ部分は3㎜以内にする事(一部を除く)
③楮100%の手漉き和紙を使用する事
④手に持ったまま折る事
⑤製図は正確に書く事です。
あなたも、今日から文化財の伝承者の一人として連鶴を世界に羽ばたかせて下さい。